◆ 日本の子どもの貧困の現状

私は、日本で経済的貧困により教育費を捻出できない家庭の子ども達の支援活動を仕事にしています。貧困とは、衣食住がままならない「絶対的貧困」と、「相対的貧困」に分けられます。

特に「相対的貧困」は、あまり聞きなれない言葉ですが、 かなり大雑把に説明すると国民の標準的な所得の半分以下で生活し ている人たちのことを指し、実際の所得でいうと「4人世帯で250万円以下」 くらいの方々をイメージしてください。冒頭であげた日本の貧困とは、「相対的貧困」の方を指し、日本の子どもの相対的貧困率は実に15.7%。約6人に1人の子どもが貧困状態にあります。


◆ 果たして貧困は自己責任なのか?

 
さて、現在私たちが支援している子ども達は、 大きく次のような理由から経済的に困窮しています。

(1)東日本大震災で被災して収入や資産を失った等の理由

(2)それ以外の理由(生まれたときから貧困家庭だった、 両親が病気などで働けなくなった等)

これらは、理由は違えど、経済的に困窮している事実には変わりません。しかしながら、色々な人と話していて、その反応は上記の理由によって、大きく異なることを実感しています。

とりわけ、(1) の東日本大震災で被災した子どもたちに対しては、ほぼ100% の人が支援の必要性を理解します。「 突然の災害で教育機会を失うなんてかわいそうだ。支援しなければ!」と、支援の必要性はもはや説明不要であることも多いです。

一方、(2)にあてはまる子どもに対しては、「親の努力が足りない。自分が親なら子どものために必死で働くけど。」とか、「 それは自己責任でしょ。教育費出すのが大変なのはみんな同じ」 等、冷ややかな反応をする方が多いです。

災害が理由だと「なんとかしなきゃ」。それ以外の理由だと「 親の責任でなんとかしろ」。 私はこの反応に対して強い違和感を覚えます。


◆ 「教育費は自己負担」が当然の日本。
教育費の公的支出は先進国最低水準

 
日本では、 子どもの教育費を家庭が自己負担でやりくりするという考え方が強 く根付いています。学術創成科研の保護者調査によると、約半数の親が「教育費は当然、親が負担すべき」と答えており、 その傾向は高所得層・高学歴層になるほど高くなります。

実はこの「教育費はだれが負担すべきか?」という考えは、国によってかなり異なります。それは、教育費の公的支出額に顕著に現れます。上記の国際比較(グラフ)をご覧ください。

このグラフを見てわかります通り、日本はOECDの先進国の中で、公的な教育関支出額の割合が最も低い水準です。

一方、対照的なのがグラフの上位を占めている北欧諸国です。例えばスウェーデンでは、小学校から大学卒業までは、家計負担がほとんどありません。ここには教育費は税金で賄うという福祉国家的教育観、「子どもの教育は社会全体で育てるものだ」 という考え方が強く根付いていることがわかります。


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