「援農」という言葉をご存じでしょうか?「援農」について辞書を調べてみると、「農家ではない人が、農作業の手助けをすること。多く、都市部の住民が短期間で、摘果や収穫などの作業を補助するものをいう。」(大辞泉)、「消費者による生産状況の理解と農業の体験、労働力不足の補いなどのために、消費者が農作業を手伝うこと。」(大辞林)と説明されています。つまり、「援農」は、「支援・援助」+「農業」です。春から秋にかけての農作業を行う時期には、多くの人手が必要となります。その際に、都市部に住んでいる学生や社会人などが週末・連休、長期休みなどに、地方に出かけて様々な農作業をお手伝いします。各地の行政やNPOなどでも「援農」に関する募集が行われています。農作業のボランティアということから「援農ボランティア」という言葉も使われるようになりました。
 
(同じタイミングで多くの野菜を収穫するため、多くの人手が必要になる)

支援を必要とする少子高齢化・過疎化の地域

ボランティアというと、まず第一に災害時の支援を想像する人は多いと思いますが、地方では、少子高齢化・過疎化によって農作業の担い手は急激に減っており、多くの力を必要としています。広大な平地での農業は機械での作業も進めやすいのですが、土地が変形している山間地域では機械での作業が難しい箇所も多く、様々な場面で人手が必要になります。高齢者には負担も大きく、農作業をやめてしまい、耕作放棄地が増えているのが現状です。地方で生産している野菜や果物などの農作物は、その土地で消費されているのではなく、大部分は都市部へ流通し、消費されています。地方の生産を手助けしていくことは、消費者となる都市部の人にとっても重要なことです。少子高齢化・過疎化の進む地域では、学生や社会人などの多くの力を求めている方々が多くいます。災害があった時だけではなく、日常からこういった援農のボランティアなどにも目を向けることは、とても大切です。
 
(冬の大雪で潰れてしまったビニールハウスの解体作業を補助するボランティア)

地域の人や文化に多く接することができる「援農ボランティア」

「観光」が中心の旅行よりも、普段は出来ない様々な「体験」ができることが「援農ボランティア」の大きな魅力です。外から見る「観光」だけでは、地域の人や文化に直接関わる機会が限られますが、中に入る「援農ボランティア」では、地域の人や文化に多く接することができます。もちろん、観光の時よりも体力が必要となったり、宿泊できる場所もホテルのようにはいきませんが、実際のリアルな生活を通じた本格的な体験ができます。普段は、食べている野菜や果物などが、どのように育てられているか体験を通じて知ることができます。例えば、実際に大豆を育てて収穫し、味噌や豆腐など様々な加工品を作ってみることで、「こんな風に作るのか~!」ととてもよくわかります。作業後に地産地消の郷土料理を頂いた時の味はまた格別です。実際に参加された方がfacebookやinstagrumなどのソーシャルメディアにアップされている写真を見ると、ありふれた「観光」の写真よりも真新しく、関心を集めているものが多いようです。
 
(自分たちで育ててきた大豆を収穫して豆腐作りにもチャレンジ!)

参加するたびに「できること」や「楽しみ」が増える

「援農ボランティア」は繰り返し参加することで、支援の幅を広げたり、四季折々の魅力を発見することができます。一回で終わってしまうのは、とてももったいないです。何度か参加する中で、農作業の段取りや機器の使い方などを学ぶことができます。段取りがわかり、機器も上手く使えるようになってくると、農作業の効率も高まり、初めて参加した時の何倍もの作業をこなせるようになります。ボランティアのできることが増え、作業の幅が広がることは、受け入れる農家にとって任せられる作業が増えることにつながるのでとても有難いことです。また、一年を通じて様々な作物の成長の変化を見ることができ、参加する時期やタイミングによって様々な経験ができます。「この前に植えた苗は、どうなっているだろう?」「今の時期は、どんな野菜を収穫するのだろう?」と毎回楽しみが増えていきます。
 
(草刈機の使用方法を学び、定期的に田畑の周辺に生える雑草を刈り取る)

全国で広がる農山漁村滞在型旅行「農泊」

「援農ボランティア」は、名称は様々ですが同様の内容で、全国各地の行政やNPOで実施されています。農林水産省では、農山漁村滞在型旅行として「農泊」を推進しており、都市と農山漁村を双方向で行き交う新たなライフスタイルの実現を目指しています。(農林水産省:農泊を中心とした都市と農山漁村の共生・対流)近年、「農業」や「移住」に関するテレビ番組が多く見受けられるようになりました。以前は、退職世代の話のように言われていましたが、最近は、若者の中でも「農業」や「移住」への興味関心を持つ人が増えています。(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部:東京在住者の今後の移住に関する意向調査)「新規就農」や「移住」となると大きなことですが、週末・連休、長期休みなどに「援農ボランティア」に参加することは気軽にできます。ぜひ、一度、学校や会社の仲間と一緒に参加してみてはいかがでしょう?

ウェブマガジン「ひみつ基地」編集部



参加者募集:学校や会社の仲間と「援農ボランティア」にチャレンジ!

茨城県と福島県の県境に接する「あぶくま高原南部」にある東白川郡鮫川村では、学校や会社の仲間と援農ボランティアに取り組むことができます。過疎化・少子高齢化で農業の担い手が不足する村では多くの力を必要としています。本プログラムは、各月の受入期間でご都合に合わせてご参加を頂くことができます。2、3名の少人数で、1泊2日からの短期間の日程から実施することが可能です。プログラム内容やスケジュールについては、お申込みの際にご要望をお伺いし、その時期に応じたご提案をさせて頂きます。ぜひ、ご友人とお誘いわせのうえ、ご参加ください。

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