はじめまして。今回から記事を書くことになりました森山と申します。私は普段、特定非営利活動法人3keysで働いております。

家庭の事情などで、自立において必要なあらゆる力が十分に備わらないまま一定の年齢になると突然自己責任になってしまい、低学歴、意欲の低さ、ニートやフリーターとなってしまったり、さらにはホームレス、望まない形での水商売や妊娠などを繰り返している若者たちがそうなる前に支援が行きわたるよう、現場では経済的理由等で学習サポートが得られない子どもたちへの学習支援をし、その現場で見えてきたことを基に、講演やこのような執筆などを通じて社会に現状を発信する活動をしています。

現場にいながら感じているのは、日本における教育格差の課題は、単純な機会不足ではなく、愛情や安心の基盤のなさや、生活力のなさなど、もっと根深い問題とつながっていることを実感します。特に私たちが主な学習支援の対象としている児童養護施設で暮らしている子どもたちは多くが虐待や育児放棄の中で、何をやっても怒られるか無関心であったり、深刻な家庭においては親が家に帰らず食事やお風呂もままならない中、自信や意欲をなくし、気の強い子は授業妨害やいじめに、気の弱い子は不登校や自傷行為に走り、子どもたちの学びにおいてとても大事な小中学生から十分な基礎学力や、学習習慣がないままになっていることが少なくありません。

今回はこのような育児放棄をも含む「児童虐待」は一体誰が起こしているのかについてみていけたらと思います。

◆ 児童虐待数は10年間で60倍に?

新聞やニュースなどで児童虐待による事件などが報じられており、年々児童虐待問題は深刻化しているようにうつります。図1の表に平成2年では1101件だった相談件数は約10年後の平成23年には59,919件という約60倍もの増加になっています。この数字だけを見ると、虐待は現在の世代で生じた問題のようにみえますが、実は平成12年度に制定された児童虐待防止法によって、市民による虐待の通報が義務となり、これまで隠れていた虐待問題が明るみにでたと解釈する方が正しいのです。親によって虐待を受け、子どもの愛し方がわからず、親という頼る人もいない中で自分の子どもを余裕を持って育てることができないことで虐待が連鎖してしまうなど、虐待は何世代かに渡る根深い問題と言えます。

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