東日本大震災から2年半が経過しました。今回は、被災地のことについて書きたいと思います。

私たちチャンス・フォー・チルドレン(CFC)は、阪神・淡路大震災の被災児童支援を原点とするNPO法人ブレーンヒューマニティー(BH)を母体に設立した団体で、東日本大震災を契機に一般社団法人チャンス・フォー・チルドレンとしてBHから独立しました。また、私自身も神戸市の出身で小学2年生のときに震災を経験していることもあり、被災地の支援に対しては個人的にも特別な思い入れがあります。

◆被災地で起こっている問題は被災地だけの問題ではない

さて、時間が経過するごとに震災関連の話題は少なくなっていますが、被災地ではまだまだ多くの課題が残されています。

ここで誤解を恐れずにいうと、「被災地で起こっている問題は被災地特有の問題ばかりではない」ということです。むしろ、被災した地域が抱えている課題の多くは、現在日本全国で既に起こっている課題であったり、あるいは今後10年間のうちに日本全国で起こり得る深刻な課題が非常に多いと言えます。このような日本全国で起こっている(または起こり得る潜在的な)課題が、震災を契機に一気に表面化した状態だと言ってもいいのではないかと思います。

◆震災によって起こる「子どもの貧困問題」。貧困は次世代に連鎖する

被災地において、私が一番の課題と捉えているのは、今急速に広がりつつある「子どもの貧困問題」です。

震災によって、子どもたちは親や家族を失い、友達を失い、家や大切にしていたモノを失いました。子どもたちの精神的なダメージは本当に測り知れず、長期的なケアが絶対的に必要です。

しかし、震災で失ったものはこれだけではありません。非常に現実的な話をすると、子どもたちは大切な人やモノと同時に「お金」を失いました。もちろん「お金」がすべてではありません。でもなぜここで「お金」を強調するのか?それは、物質社会の日本において、「お金がない」という状況が、子どもたちから様々な機会を奪い、結果的に子どもたちから人や地域とのつながりや将来の可能性といった大切なものを次々に奪っていくからです。

そして最も恐いことは「貧困が次世代に連鎖する」ということです。「貧困の連鎖」は既に日本国内で起こっている問題です。 貧困家庭に生まれた子どもたちは、 様々な機会や人との繋がりを失い、低学力・低学歴を生み、 不安定な就業を生み、社会的な排除にあい、 最終的には生まれてくる次世代の子どもも不利な状況から人生をス タートしなければならない構造が出来上がっています。 

今、子どもの貧困問題が最も深刻化しているのは被災地ではないかと思います。

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