「先生、ごめんなさい。○○ちゃん、お母さん死んじゃったのに、津波の話、しちゃった。本当にごめんなさい。」

小学校5年生の女の子2人組が、私のところに涙を浮かべながら謝りにきました。仮設校舎で学ぶ2つの小学校合同の自然体験教室(石巻市では小学5年生になると、青少年自然の家で宿泊体験をします)のキャンドルナイトでの出来事です。

キャンドルナイトでは、班ごとに出し物をすることになっています。ダンスをする班もあれば、歌を歌う班もあります。この2人組の班は、都市伝説を発表することにしました。

「いまから、都市伝説を話します。はじめに、トトロの都市伝説です。」

アニメやマンガの都市伝説、発表される度に子どもたちは悲鳴を上げたり、耳を覆ったり、大盛り上がりです。そして、終盤にさしかかった頃、先ほどの2人組が発表しました。

「私たちは、崖の上のぽにょの都市伝説を話します。」

発表が始まった瞬間、空気が変わりました。お互いの表情を見合い、様子を伺う子どもたち。急に辛そうな表情をみせる子どもたち。教員たちも、少し慌てた様子です。そうです、崖の上のぽにょは、子どもたちから大切なものを奪った津波を題材として書かれた映画でした。

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