◆ 「行かされている」状態で北海道を旅するということ

「ふくしまキッズ」という活動をお引き受けし、北海道内各地の皆さんと協力しながら活動を展開しています。今年の夏は、実に300人以上の子どもが、最短でも1週間、夏休みであれば最大4週間、福島の子どもたちが道内各地を訪れて、その地域ならではの自然や文化を楽しみ、なかなか外で遊ぶことができないそのストレスを発散させ、リフレッシュして福島に戻る、という活動です。もう7回目なのですが、そんなにたくさん受け入れてきたのか、と今更ながらびっくりしているところです。

※ふくしまキッズ http://fukushima-kids.org/

普段、ぼくたちは「キャンプに行きたい」「お泊りを体験してみたい」と興味を持つ子を募集して、その子達とキャンプとか旅をします。でも、ふくしまキッズに参加する子どもたちは、そういうモチベーションは持ち合わせていません。「原発事故が原因だ」なんて、そもそも北海道に来るきっかけとしては「不幸」すぎます。1年生の子達が、自分の体よりもおおきなスーツケースをもって、お父さんやお母さんの元を1週間以上離れて生活する、しかも本人たちは、特に行きたいと思っていたわけではなく、「行かされている」状態で北海道を旅するのは、子どもの心身の限界を超えています。

でも、どうにかしないといけない。そんな激動の中で受け入れたのが、2011年の夏でした。来る方も、受け入れる方も、そりゃあもう大変でした・・・。

しかしながら、「ふくしまキッズは保養・避難ではなく、教育活動である」と改めて明確に位置づけ、スタッフやボランティアの皆さんが粘り強く活動に関わってくれたおかげで、今北海道にやって来る子どもたちの心模様も「最初はさみしいけど、いろんな人と遊ぶのが楽しい、だから行く」とだいぶ変わってきました。「また来たよ」「また来るから」「またおいで」そんな挨拶が繰り広げられている様子を見るのは、とても嬉しいものです。 


◆ 目立ったプログラムは用意しない・提供しない

さてさて、そんな大挙してやって来るふくしまキッズ、北海道では大きく「拠点型」と「キャラバン型」の2つに分けて受け入れています。「キャラバン型」は、道内各地を移動して回り、「拠点型」は、あまりあちこち動き回らずに、じっくりと生活します。ぼくはこの「拠点型」を担当すべく、道南地方の七飯町・大沼にずっと住み込み、子ども達と過ごしていました。

こういう支援型の活動って、受け入れる地域側が「せっかくだから」とあれもこれも提供するもんだから、気がつけばイベントてんこ盛りの活動になりがちです。みんなよかれと思ってやるのですが、子どもたちは大人に引きずられて疲弊するばかり。そんなシーンをたくさん見てきましたので、大沼はのんびりじっくり型のプレースタイルにすることとしました。つまりは、ほとんど目立ったプログラムは用意しない・提供しない、という、「スタッフはサボっているんじゃない?」と揶揄されてしまいそうな真逆の手法に切り替えたのです。

その結果、どうだったか。

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