(子ども支援団体や仮設の見守り支援員対象の、虐待防止セミナーを実施)

◆ 「個別化」して見え難くくなっていく課題

私は2011年の秋、子どもに関わる復興支援の活動をしようと、愛知県から宮城県仙台市に移り住みました。最初の一年間は受験生を対象とした学習支援の活動に取り組み、その後は現在のNPO法人チャイルドラインみやぎに所属し、子育て世帯への物資提供、子どもたちの居場所作り、親子遠足、支援者のケアや研修などの活動を行ってきました。

震災後丸3年になる今、少しずつ復興している一方で、「被災者」と一括りにはできない深刻な「個別化」という新たな問題を目の当たりにしています。

これまで、放課後の学習会に来た子どもたち、子ども服などの物資をお渡ししたお父さん・お母さん、リフレッシュ遠足で一緒に出かけたおじいちゃん・おばあちゃんなど、支援活動を通じて沢山の被災した人たちに出会ってきました。

「被災した」といっても、それぞれの状況や心情、抱えている困難は様々で、震災から時間が経つにつれてますます「個別化」しているように感じます。

時々、首都圏や関西の知人から、「今の被災地はどういう状況なの」と聞かれることがありますが、いつも答えに窮します。それは、個々に抱えている困難を代弁者のように切々と訴えることにどこか違和感を持ってしまうとともに、「被災地」が現在どういう状況なのかを一言で表すことはとても難しいからです。どこまでが震災の影響で、誰を対象に支援をし、いつまで関わり続けられるのか。それらの区別がとても難しくなっています。


(仮設住宅の集会所で、ハロウィンにあわせてかぼちゃバッグを工作)

◆ 復興が進むにつれて積み重なる家庭の問題

「今年は、しんどい一年になるね」

先日のミーティングで、「災害子ども支援センター」(※)に勤務するスタッフが、そう話していました。

このセンターでは、震災の影響で困難を抱えている子育て世帯を対象に、物資提供や相談事業を行っています。ここには様々な形で震災の影響を受けたお母さんたちが毎日訪れており、新しくセンターを利用したいという問合せも続いています。一人ひとりの状況を見ていくと、予算や人員に限りがある中で、私たちは今何をすべきか、誰に関わるべきなのか、常に迷いや葛藤があります。ただ一つ明確に言えることは、経済的に困窮していた家庭や家族関係がうまくいっていなかった家庭など、もともと不安定な状況にあった上に、震災をきっかけとして出てきた"重石”が次々に積み重なっているということです。今年はそういう問題にますます直面していくことになります。

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