誰にも言えない、子どもたちの悩み

私たち大人は、子どもの話を「聴く」ことができているのでしょうか。私の所属している団体では、18歳までの子ども専用の電話「チャイルドライン」を運営しています。全国共通のフリーダイヤルとして、42都道府県、71団体が協力し、子どもたちの相談や悩みに応じています。子どもたちからの年間発信数(チャイルドラインのフリーダイヤルにかけた件数)は70万件以上、年間着信数(発信数のうち、各チャイルドラインで実際に着信できた件数)は20万件以上、かけた人数(同じ番号からかかってきた電話を1人とカウントした、チャイルドラインの利用者数)のべ27万人以上に上ります。

「前は仲良くしていた友達が、最近急に冷たくなった気がする。どうしてだろう」、「中学に入って自分の体がすごく変わった。これっておかしいことなのかな」などといった、多くの子どもたちが体験する日常的な問題や悩みから、「なにもしてないのに、いつも先生に殴られる。すごく痛いのに、やめてくれない」、「なんかすごく疲れた。死にたい」という、あってはならないような大きな問題と向き合うことまであります。電話から聞こえる子どもたちの声から、毎日たくさんのことに悩み、また時には、生きづらさを感じていることがうかがえます。

電話の内容は、「人間関係(16.3%)」や「雑談(14.6%)」、「性への興味・関心(10.4%)」、「性行動(7.5%)」、「身体に関すること(6.4%)」などが大半を占めますが、毎日ニュースで取り上げられているような「いじめ(6.1%)」の相談も少なからずあります。また、以上に比べて件数はそれほど多くありませんが、不登校、体罰、虐待、暴力、自殺に関する深刻な相談もあります。

「話したいけど話せる人がいない。親には言えない。友達にも、先生にも。だからここに電話した」。子どもたちは複雑な人間関係の中で、私たちが思っている以上に気を遣いながら生きています。誰にも言えないという孤独や、話しても仕方ないという諦めなど、行き場のない気持ちを抱えて、日々相談相手を求めて、電話をかけてきているのです。

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