あの先生は良い先生だったな、そう思い返すとき、授業が上手かった先生を思い出すでしょうか?それとも教科以外の話が面白かったり、担任や部活の顧問など授業以外の部分でお世話になったりした先生を思い出すでしょうか?

学校教育には教科指導と生徒指導という2つの側面があります。一つ目の教科指導は国語算数理科社会といった授業を通じて行われる教育、もう一つの生徒指導は服装などの生活指導や進路指導、安全指導など生徒の人格や社会性に関わる教育です。

小・中・高等学校ではクラス担任などが生徒指導を担っていますが、実は大学にはその機能がほとんどありません。最近でこそ、クラス担任制度を設けてフォローしたり、キャリアセンターが進路に関わる様々な取り組みをしたり、ということが増えてきましたが、それも限界があるでしょう。大学の場合、研究教育と人間教育という分け方ができますが、現在その人間教育を担う役割として、学生寮が注目されています。

寮は従来、単なる寝食の場だと捉えられ、特に近年の日本ではセキュリティの強化、個室化(風呂、台所も部屋についており、共有スペースがほとんどない)が進んできました。どちらかというと、子どもを預ける親の目線で、安心安全が重視されてきたと言えます。しかし、学生寮には学生同士がコミュニティとなり、コミュニケーション能力を磨いたり、文化・教養を身に付けたり、切磋琢磨し合う可能性を秘めています。今回は、そんな学生寮を通じた教育の事例についてご紹介したいと思います。

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