日本では、ここ20年間で特別支援学校に通う子どもが倍増し、場所も人も仕組みも追いつかない状況となっています。(20年で倍増!急増し続ける特別支援学校の児童生徒-対応が追いつかず足りないものだらけで困惑する現場)また、地域の小規模福祉作業所で働く障害者が得ている一か月の工賃が約1万3千円と言われ、経済的に自立していくこともままならない状況です。

近年、日本でも「社会的包摂(ほうせつ)」・ソーシャルインクルージョンという言葉が段々と使われるようになってきましたが、実状はまだまだこれからのようです。多種多様な民族・文化を受け入れ、先駆的にソーシャルインクルージョンに取り組んできたカナダでは、障害のある子どもから大人までの支援を全地域で徹底しています。今回の記事では、カナダにおける発達障害をもつ子どもの支援についてご紹介いたします。

(写真提供:North Island College)

まず早期発見・支援が第一

一昨年前、コモックスバレーの教育委員会と州立大学のノースアイランドカレッジの協力で、日本の教育者向けのシンポジウムが開かれました。その中でカナダでの一連の特別支援について説明があり、特に発達障害のある子どもに対してのサポートの流れについてご紹介を頂きました。

カナダの幼児教育、保育園で勤務するスタッフのほとんどが一般の幼児教育学の他に、特別支援が必要になる子どもについて学んでいます。カナダでは、特別支援で一番大事になるのが早期発見、早期サポートと考えられています。カナダ政府が早期発見、早期介入を大事にしている点は、一人の子どもが社会で自立していく方が将来的にみて、個人の生活の質の向上にもつながりますし、生活保護や医療の負担が国としても減るからです。


(写真提供:North Island College)

各専門家がチームで子どもと保護者を支える


まず、幼稚園や保育園で問題行動が目立つ子どもがいましたら地域の応用行動分析(ABA)機関に連絡します。そこから分析をするチームが2、3ヶ月かけて子どもをモニターし、教育委員会に報告が入ります。その後、必要に応じて医療機関や専門機関につなげます。

教育委員会に心理士、理学療法士、作業療法士、言語療法士、自閉症専門家、ユースワーカー(青少年自立支援スタッフ)などの専門スタッフが常駐しています。個人のニーズにあわせて、地域の児童精神科医専門家の先生も入ってチームを組み、その教育委員会の管轄にある小学校、中学校、高校に出向きます。子ども本人だけでなく、実際に毎日関わっている学校の先生、スクールカウンセラー、保護者、教育アシスタント(障害認定を受けた子どもに一人に対して一人のアシスタントがカナダではつきます)にどのようなサポートをしていくのが良いか指導します。子ども一人ひとりに必要なサポートチームが編成され、2週間に1回の検討会議も実施されます。

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