「子どもの貧困対策法」が施行されてから、「子どもの貧困」の問題について触れた記事を目にする機会が圧倒的に増えました。これまでの記事を通じて、この問題についてご紹介してきました。(本記事を書いた記者の記事一覧)多くの人に知ってもらうことが課題解決の第一歩だとは思います。しかしながら、「解決策」を提示しなければ、解決に向かうことはありません。前編では、所得格差によって生まれる教育格差を是正するための手法「学校外教育バウチャー」の基本的な仕組みについて解説しました。後編では、更に踏み込んでその特長をお伝えします。

補助金の支給方法の発想を転換 

マクロな視点で見ると、学校外教育バウチャーの画期的な点の一つとして、従来の補助金の支給方法を大きく転換したことがあげられます。例えば、公営の無料塾を作る場合、自治体が無料塾を運営するにあたって適切な団体を選定し、その団体に対して補助金(又は委託料等)を出し、団体が無料塾を運営することになります。ここでは、補助金の支給先の団体を選ぶ主体は、あくまでも「自治体」です。

しかしながら、自治体が学校外教育バウチャー事業を実施する場合、子どもがバウチャーを利用した先の塾や習い事、体験活動等のサービスを提供する団体(=教育事業者)に対して、補助金が出されることになります。ここでは、補助金の支給先の団体を選ぶ主体は、サービスの受益者である「子ども・保護者」ということになります。つまり、補助金が受益者の意向やニーズに合わせた形で出されることになるため、より適切な資金の分配が可能になります。

被災地の教育事業者の復興に寄与する仕組み 

学校外教育バウチャーは、先に述べた通り教育事業者に対してお金が支払われる仕組みですが、この特徴から特に被災地の支援に有効だと言えます。例えば、東日本大震災の被災地では、多くの教育事業者が被災しました。被災直後であれば、ボランティアによる無償の学習支援が非常に重要な役割を担う一方、震災から一定の時間が経過した場合、無償学習支援を長期間継続することは、被災した地元の教育事業者の営業の妨げになる危険性を秘めています。

しかしながら、学校外教育バウチャーであれば、被災した教育事業者が収入を得ることができます。地元の教育産業の復興を支えながら、困窮世帯の子どもたちに対しては無償の教育サービスを提供することができる仕組みです。

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