ひみつ基地

2017年04月号 vol.50

元幼稚園教諭が教える!子どもが主役の幼稚園の選び方のポイント④-園へ見学に行く際に確認するべきこと

2017年04月10日 12:56 by editorial_desk

子どもにどんな幼稚園でどんな幼児教育を受けさせたいですか?これまでの記事では、「自由遊び」の時間の重要性(幼児教育で重要な「自由遊び」の時間)や行事の多さ(多すぎる行事が子どもと教師を圧迫する)、一学級の人数(幼稚園によって異なる一学級の子どもの人数)について述べていきました。今回の記事では、実際に園の見学に行く際に確認すべきチェックポイントについてお伝えします。

園へ見学に行くのは、自由遊びをしている時間帯がよい
 
見学に行く園が決まり、「さぁ、見学に行こう!」と思ったものの、いつ行ったらいいのか、案外迷うものです。園によっては「この時間に来てください」と指定される場合もあるかもしれませんが、もし自由に決めていい場合だったら、園児がいる時間で、かつ午前中の自由な遊びをしている可能性が高い10:00~11:00ごろに行くことをオススメします。
 
これまでの記事でも述べてきた通り、好きな遊びの時間があり、その中で子どもたちが主体的に遊びこむことが大事だと考えます。子どもの主体的な遊びを大事にしているかどうかは、園のホームページなどで調べるよりも、実際に行って見た方がよくわかります。これまでの経験を踏まえると、登園した後、そのまま自由遊びに移る園が多いようですので、その時間帯に見に行くことができると、園児の自然な姿がよく見られると思います。
 
 
チェックポイント1:園庭や遊具を活かしながら遊んでいるか?
 
「園庭は広い方がいい」「遊具は多い方がいい」という意見をよく聞きますが、「園庭が広くて、遊具が多い園が素晴らしい」とは一概には言えないと考えます。
 
というのは、いくら園庭が広くても、遊具が多くても、それを子どもたち自身が活かしながら遊んでいないと、全く意味がないと思うからです。確かに、園庭が広くて遊具が充実していると、大人から見れば魅力的に見えます。しかし、重要なのは、園庭や遊具はあくまでも遊びの「手段」ということです。遊びの中で子どもたちがそれらを活かせるかどうかは、教師の援助や関わり方によっても変わってきます。
 
また、これは個人的な考えですが、固定遊具(滑り台やうんてい、鉄棒など)が充実しすぎていると、子どもたちの自由な遊びが生まれにくいと思います。固定遊具は、子どもたち個人の運動能力を伸ばしていくためには必要な遊具ですが、遊具そのものが完成していて、遊び方も決まっているので、自分たちで遊びを作り、面白くしていくという経験がし難くなる側面があります。また、基本的には個人で取り組むものが多いので、友達と関わる経験も少なくなります。

幼稚園教諭として勤務していた時、子どもが固定遊具ばかりで遊ぶことに非常に悩みを感じた時期がありました。魅力的な固定遊具が多いと、それで遊ぶことで満足してしまい、他の遊びに興味が向かなくなってしまうのです。他の友達と関わって遊ぶことが苦手な子どもたちほど、固定遊具で遊ぶことを好む傾向にありました。固定遊具そのものは悪いものではないですし、子どもたち自身は楽しそうに遊んでいるからこそ、非常に難しさを感じていました。この辺りの感覚は、他の教諭とも一致していたように思います。「固定遊具が充実している=子どもの遊びが充実している」というわけではないと思います。
 

チェックポイント2:遊びに必要なものを、子どもたちが作って遊んでいるか?
 
「遊びに必要なものを自分で作る」という経験は、遊びの中で非常に重要な経験です。子どもたちは、基本的には何かを作ることがとても好きです。例えば、お店屋さんごっこなどをする場合に、「どんな食べ物がいいか?」を自分なりにイメージして、材料や色、大きさなどを選んで、自分で作っていきます。作ることで表現することが楽しいと思えるようになったり、手先を使うことで手先の発達が促されたりします。また、はさみやのり、セロテープなど様々な道具を使う技術も身につきます。既成の遊具を使ってしまえば簡単ですが、「自分で遊びの準備をする」という経験ができないので、すぐに遊びに飽きてしまう傾向にあります。保育室内に、子どもたちの手作りの遊具があったり、作るコーナーが充実したりしていると、子どもたち自身が遊びを作ることを大事にしている証拠だと思います。
 
 
チェックポイント3:先生の子どもへの関わり方や、声掛けについて
 
担任の先生の子どもへの関わり方も、非常に重要なポイントです。子どもの自由遊びの時間は、先生たちは休憩しているわけではありません。子どもの遊びの様子をよく見て、物的環境(場所や材料、遊具など)や人的環境(教師、友達)の側面から、「どのように援助すれば遊びがもっと面白くなるか?深まっていくか?」ということを考えながら関わっています。遊びに応じた援助をするためには、まず子どもや遊びの実態を把握することがとても重要です。実態を把握するためには、外から見ているだけではわかりません。先生自身が、「子どもの遊びに能動的に関わろうとしているのか?客観的に見ているだけなのか?」見てみるといいと思います。
 

これまでの記事では、幼稚園に見学に行く前/見学に行った際のチェックポイントについてお伝えしました。子どもを主役に置いた時に、「どのような観点を大事にしたらよいか?」という軸で調査研究や自身の教諭経験から述べてきました。ここでお伝えしたこと以外にも様々な観点があると思います。その後の人生にとって重要な学びを得る幼児期だからこそ、「子どもを主役にした幼稚園選び」を検討してみてはいかがでしょうか?

● 「幼児教育」に関する記事一覧

NPO法人夢職人 理事 山田友紀子

  


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