ひみつ基地

2013年08月号 vol.6

子どもの個性を見分け、個性を伸ばす方法とは?-「違い」と「間違い」を混同しない向き合い方

2017年02月08日 18:28 by sari_yamamura


子どもに対して、思い通りに行動してくれなくてイライラした経験はありませんか?「もっと積極的に行動してほしいのに・・・。」「友達と協調性をもって仲良く遊んでほしいのに・・・。」大人は、子どもが思い通りにならない、自分と価値基準の違う行動をとると、「この子は『間違っている』」と思いがちです。では、本当に子どもは「間違っている」のでしょうか?

◆ 「違い」と「間違い」は、どのように異なるのか?

もし、自分と価値基準の違う行動をとることが「間違い」ではないとしたら、それはただの「違い」の可能性があります。「違い」と「間違い」、「間」がつくかつかないかの差。そもそも、どんな意味を持っているのか『広辞苑 第五版』で調べてみました。


「違い」 ・・・ ちがうこと。同じでないこと。

「間違い」 ・・・ まちがうこと。あやまり。


「違い」は、ただ、「同じではない」だけのことですが、「間違い」は、「あやまり」とある通り、正しくないことであり、他に正解があるという意味です。もし、子どもが法律に触れることや、人を傷つけるようなことをしたら、それは明らかに「間違い」です。しかし、積極性があるかないか、協調性があるかないかは、子どもの個性であって、「間違い」ではなく、ただの「違い」なだけではないでしょうか?大人にも個性があるように、子どもにも生まれながらに持つ、また、少ないながらも数年間生きてきた中で形成された個性があります。それを「間違い」とせず、「違い(=個性)」を尊重した上で、社会に出た時に困らない教育をするのが本当に大人の役目なのではないでしょうか。


古代中国の論語にこんな話があります。(『世界の名著3 孔子 孟子』より)


子路問う、聞くままにこれ行わんか。子曰わく、父兄在す有り、如何ぞ、それ聞くままにこれ行わんや。冉有問う、聞くままにこれを行わんか。子曰わく、聞くままにこれ行なえ。公西華曰わく、由が聞くままにこれ行わんかと問えるとき、子は父兄在り有りと曰えり。求が聞くままにこれ行なわんかと問えるとき、子は聞くままにこれ行なえと曰う。赤や惑う。敢えて問う。子曰わく、求や退く、故にこれを進む。由や人を兼ねんとす、故にこれを退く。

<訳>
子路がおたずねした。「聞いたらすぐにそのとおり実行しましょうか」先生がこたえられた。「父兄がまだ世の中で現存されている。どうしてそのまま実行しよう。父兄に告げて賛成を得てからにせねばなるまい」冉求がおたずねした。「聞いたらすぐにそのとおり実行しましょうか」先生がこたえられた。「聞いたらすぐにそのとおり実行するのがよい」公西華がおたずねした。「子路が、『聞いたらすぐにそのとおり実行しましょうか』とおたずねしたとき、先生は、『父兄がまだ現存されているではないか』とおこたえになりました。今度、冉求が、『聞いたらすぐにそのとおり実行しましょうか』とおたずねしたとき、先生は、『聞いたらすぐそのとおり実行しろ』とこたえられました。わたくしはわからなくなりました。どちらがほんとうなのかぜひお聞かせください」先生はこたえられた。「冉求は消極的である。だからこれを励ました。子路は他人の仕事にまで手を出そうとする。だからこれを控えさせたのだ」


上記は、孔子が門弟たちの個性と長所を的確に把握しており、弟子から同じ内容の質問を受けても弟子の個性に合った的確な回答をしたという有名なエピソードです。孔子(=先生)は、消極的な冉求に対しては、すぐにやるようにアドバイスをし、行動しすぎてしまう子路に対しては、周りの人に意見を聞き、よく検討してから行動するようにアドバイスをしています。
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