ひみつ基地

2019年2月号 vol.72

「妊娠したかも」と思った時に無料で相談できるLINEボット~「にんしんカモ相談」をNPO法人ピルコンが提供開始

2019年06月01日 22:51 by asuka_someya

日本では、国際的なスタンダードからの性教育の遅れ、避妊の選択肢へのアクセスのハードル、性のタブー感など、性の健康についての問題が山積みの現状があります。そんな中、NPO 法人ピルコン(東京都)は、妊娠の不安を抱える全ての人に、避妊や検査、支援先などの正しい情報を即座に自動応答で答えるチャットボット「ピルコンにんしんカモ相談」を開発・リリースしました。

昨年、クラウドファンディング(CAMPFIRE)による資金調達に成功し、システム開発会社や医療従事者の協力のもと、若い人にもわかりやすく親しみやすいデザインと、正確な情報提供の両立を目指し開発。1 月 19 日には、完成報告会を開催し、開発の背景や今後の展望と共に、支援者や性教育に興味を持つ人たちと一緒にこれからの性教育の未来について語りました。

LINE ボット・ピルコン「にんしんカモ相談」

「ピルコンにんしんカモ相談」は、妊娠の不安を抱える全ての人に、避妊や検査、支援先などの正しい情報を即座に自動応答で答えるチャットボットです。無料で何度でも使っていただけます。

ID: @ninshin-kamo
URL: https://line.me/R/ti/p/%40gsz3448f

ボットの使い方:
LINE アプリで ID 検索もしくは QR コードから友だち登録をしていただけます。「相談を開始する」ボタンを押すか、リッチメニューから相談内容を選択してください。キーワード検索もできます。

企画・運営:NPO 法人ピルコン
システム開発:株式会社 Flixy、株式会社 Botlogy
医学監修:久住英二(内科医)、太田寛(産婦人科医)

LINE ボット開発の背景とは?

「ピルコンにんしんカモ相談」の完成報告会を六本木のイベントスペースにて1月19日に開催しました。


(左からFlixyの吉永氏、NPO ピルコンの染矢、同中村、ナビタスクリニックの久住氏)

ピルコンでは、中高生向けに大学生・若者ボランティアと性の健康教育講演を年間約6,000名の生徒を対象に行っていますが、講演を受けられるのは、依頼がある学校に限られます。また、ピルコンのHPから無料で性や避妊についてのメール相談も行っていますが、その6割以上は妊娠の不安や避妊に関わることです。

「これって妊娠しますか?」「妊娠が不安です」「ネットの情報はどれが本当か分かりません」「誰にも相談できません」そんな悩みの声を日々目にしています。現在、義務教育段階での性教育の充実や、アフターピルのOTC化を求める署名キャンペーンや政策提言をしていますが、制度や教育を変えていくには、時間がかかることも実感してきました。

そこで、今まさに困っている人たちに向けて、性や避妊のことをもっと気軽に聞け、正確な情報を得られ、悩みを解決ができるサービスして、LINE ボット「ピルコンにんしんカモ相談」を着想。医療とITの専門家とタッグを組み、クラウドファンディングプロジェクトとして立ち上げました。(ピルコン代表染矢より)

プロジェクトメンバー・参加者より語られた「これからの性教育のミライ」

本ボットはピルコンのフェローで、産婦人科医を目指す研修医の中村葵さんを中心に開発。「緊急で避妊が必要な状況の時、誰にも言えない相談がある時に、『みんなが持っているスマホの中で、不安が解消され適切な医療につながったら、心強い味方がスマホの中にいる状態が作れるのでは』と思い、LINE ボット開発に至りました。産婦人科医のアドバイスをいただきながら、知識がない人でも分かりやすい表現を心掛けています。私と同世代や、これからの若い世代のできるだけ多くの人に、この LINE ボットを届けたいです。」とお話ししました。

本ボットの監修を担当したナビタスクリニックの久住英二先生は、電話医療通訳や手話通訳サービスを活用したり、VR・AR 技術を小児科に導入するなど様々な先進的な取り組みを行っています。「当院ではアフターピルの処方をスマホによる遠隔診療で発送するサービスを提供しており、学生にも利用されています。まずは医療を必要としている人に届けることが大切。」と語りました。

WEB問診サービスや、子どもの体調不良の緊急度を1分でチェックする「メルプKids」を手掛ける株式会社FlixyのCEOで内科医の吉永和貴氏は、本ボットのシステム開発を担当。既存のシステムを活用したり、株式会社 Botlogy の須脇氏など若手の開発者のアイディアも取り入れ、コストを抑えながら充実した情報量の LINE ボットを実現。また、システムの知識がない人でも簡単にボットの内容を更新できるような仕組みにしました。IT技術の活用で、最適なタイミングでヘルスケアを届けられるサービスを今後も目指していきたいです。」とコメント。

発表会イベントでは、集まった参加者も交えて、今後よりLINEボットを広めていくアイディアをディスカッション。Youtuberなどインフルエンサーの協力や、行政や助産師会などとの連携も提案されました。

本イベントの参加者でクラウドファンディングの支援者でもある40代助産師は「多様な背景の人達とITを活用した性の健康にまつわる今後についてディスカッションも含めて話合うことができました。LINEボットは簡単に接続でき、シェアなども簡単に出来るので今現状として困っている人に実用的。諸外国に比べ性の健康教育が遅れている日本にとって必要なサポートだと思い、支援協力をできて良かったと思っています。」と話しました。

また、参加した20代の医療従事者からは、「オンラインで何でもできてしまう現代だからこそ、オフラインで開発メンバーたちの思いを知ることで、一昔前では想像もできなかったこの便利なツールを自分の中で落とし込むことができた。知識のアップデートのみならず、これからの性教育について、年齢もバックグラウンドも様々な熱い想いを持つ方々と語り合うことができて、日本の性教育の未来は明るくなるかもしれないとつくづく感じた。」と語りました。

NPO法人ピルコン 理事長 染矢明日香

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