ひみつ基地

2019年6月号 vol.76

学校や社会でつまずいた若者の再スタートを支える(後編)~「生きづらさ」との付き合い方を知ることで対処できる

2019年06月16日 00:16 by editorial_desk

キズキ共育塾は、“もう一度勉強したい”人のための個別指導塾である。不登校や中退、引きこもりを経験しているなど、勉強にブランクがある方の学び直しをサポートしている。

今回、「キズキ共育塾」で校舎の教室運営スタッフとして2年前から働いている児玉谷亜貴(こだまやあき)さんにインタビューを行った。

前編(生徒と講師をつなぎ、学習をサポートする伴走者)では、彼女が現在に至るまでの経緯や、具体的な仕事内容を中心にお話を伺った。後編では、今の仕事のやりがいや、児玉谷さんが大事にしている想いについて伺った。

継続して関わる中で、見える変化

キズキへの入塾希望者との面談は、ほぼ毎日ある。これまでの生活の中でつまずいたり、挫折の経験をした方にとって、一歩踏み出すのはとても勇気がいることだ。当然初めは、不安や緊張の様子を見せる生徒も少なくない。

講師とのマッチングを経て、勉強をスタート。継続的に塾に通い、講師や教室運営スタッフとの関係性ができてくる中で、生徒の様子にも変化が見られる。

「表情が変わってくるんですよね。初めは緊張していたり、不安気な表情だったのが、先生と話すことを少しずつ楽しむようになっているなって。そんな様子が見えるととても嬉しくなります。継続していくことが、一番大事ですね」

安定してきたように見えても、波はある。できるようになった分、見えてくることもあり、「これで大丈夫なのかな?」と不安に陥り、落ち込む生徒もいる。

そんな時も、生徒自身がその壁を乗り越えていけるように、寄り添い、励まし、一緒に走る。つらい時期を乗り越えて最終的に進路が決まった時には、自分のことのように嬉しく思う。

自分自身の“傾向”と“対策”を知ること

誰かが悩んだり、困ったり、壁にぶつかったりしていた時に、どのように支援するべきなのか。キズキで働くまでは、なんらかのアドバイスをして、「解決しました!」という状態にするのが理想だと思っていた。

でも、その人が抱えている“生きづらさ”は、何か劇的なことがあって消えてしまうことはない。大事なのは、その生きづらさとの付き合い方を知ること。

どのような状況の時に落ち込んだり、つらくなったりするのか。逆にどうすればそれらを軽減することができるのか。

つらくなる場面をゼロにすることはできないが、自分自身の“傾向”と“対策”を知って、ストレスを感じる場面に出会った時に、対処していくことはできる。

学力を向上させていくことはもちろん必要だ。でもそれ以上に大切なことは、生徒が自分について深く知り、これからの人生で起きる様々なできごととの向き合い方、付き合い方がわかるようになること。

生徒の“伴走者”として、対話を積み重ねながら、一緒に考え続けている。

(教室運営スタッフと各講師とのコミュニケーションも大切にしている)

生徒一人ひとりの安心できる場所であり続ける

児玉谷さんはじめとする教室運営スタッフは、生徒が入塾を希望した際、初めて出会う大人でもある。

「最初に出会う大人としての安心感を高めていきたい、という思いはありますね」

児玉谷さん自身も学校に行けなくなった経験があるからこそ、つまずきや挫折を経験した方にとって、信頼できる人に出会えるかどうかの重要性は理解している。

高校生の時、パニック障害になってしまったことがある。家から出られない、学校にも行けない。そんな時、学校のある友人が、自分のことをいつも心配してくれていた。

学校に行けない分、勉強も遅れてしまっていた。予備校に行ってもついていけない。そんな時にお世話になった家庭教師は、いつも自分のペースに合わせて、勉強を進めてくれた。

「人って誰か一人でも、今の自分を受け入れてくれている、考えてくれている、と思うだけで、安心すると思うんです」

生徒一人ひとりの気持ちを受け止めながら関わり、「塾に行ったら喜んでくれる先生やスタッフがいる」という安心感をもってもらえるように。

本人のペースに合わせて勉強を進め、「この問題が解けた!」という小さな成功体験を積み重ねていけるように。

それらの安心感や成功体験が、“自分の目標に向かって、少しずつでも進んでいっている”という実感につながると、児玉谷さんは考えている。

(個別指導だからこそ、つまづきを経験した若者への丁寧なサポートが可能)

より多くの人に支援を届けられるように

秋葉原校舎は生徒が約80人、講師が約40人在籍している。一人ひとりに丁寧に向き合い、関わっていきたいと思う一方、全員に目を配ることが難しいことも現状としてある。

「今ある仕組みが最善なのか?は、問い続けないといけないと思っています」

仕組みが整えば、少ない人数でも、一人ひとりをきめ細やかに把握できるようになるかもしれない。難しい問題ではあるが、取り組んでいきたいと思っている。

キズキでは、現状をよりよくしていくためのアイディアは歓迎されている。これまでのやり方を疑わずに取り組むのではなく、さらに効率のよい支援の仕組みや、より多くの人に支援を届けるための仕組みを、常に考え続ける必要がある。

最後に、キズキで働くことに向いている人はどんな人か、訪ねてみた。

「教室運営スタッフは、生徒さん、保護者さん、学校の先生、講師の方…など様々な人と接する仕事です。自分の考えを押し付けるのではなく、関係者の多様な意見を受け止めて、一緒に考えて向き合っていける。そんな方が向いているのではないかな…と思います」

つまずき、挫折しても、何度でもやり直せる。

そんな社会を少しずつでもつくっていけるように、自分にできることは何だろうか。

児玉谷さんは今日もそれを、模索し続けている。

>>前編:生徒と講師をつなぎ、学習をサポートする伴走者




スタッフ募集:キズキ共育塾・教室運営スタッフ

キズキ共育塾では、教室運営スタッフ(正社員)を募集しています。教室運営スタッフの仕事は、主に二つあります。一つは生徒の出欠連絡受付や授業予定管理、講師給与の管理などの「事務業務」、もう一つは入塾希望の方との面談など、困難を抱えた方への「支援業務」です。現在の教室運営スタッフは、ほぼ全員が関連業種未経験からのスタートしています。

興味関心のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。詳細について担当者より折り返しご連絡をいたします。

団体名 株式会社キズキ
職種 キズキ共育塾(学習塾)教室運営スタッフ  
雇用形態 正社員
給与 25万円(試用期間中4~5カ月は23万円)
賞与:年一回(実績平均0.8ヶ月)
昇給:一年に2回評価・見直しあり

【年収例】
・入社2年目(30歳)/390万円
・入社3年目(29歳)/450万円 ※エリアマネージャー
・入社7年目(29歳)/600万円 ※事業責任者
福利厚生 ・健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
・交通費全額支給
業務内容 学習教室運営にかかわる業務全般
◆事務業務
・授業管理(生徒の出欠、講師の勤怠)
・教室受付業務(問い合わせ対応など)
・授業スケジュール管理
・教室経理(授業料の請求業務、講師アルバイトの給与計算)

◆支援業務
・入塾希望者の面談
・講師アルバイトの採用面接、研修
・授業のマッチング(完全個別指導のため、講師と生徒さんのマッチングが発生します)
期待する成果 ◆電話、メール、対面問わず、相手の方と柔軟なコミュニケーションを取れること
様々な方からのご連絡を受けていただく最初の窓口になります。ツールを問わず、柔軟に対応していただきたいと考えています。
◆マルチタスクで並行して業務を処理できること
授業の実施管理(欠席連絡、振替希望対応)と並行して、入塾面談日程の調整、問い合わせ対応等一日に200件近くのメールを受信します。同時進行に発生する業務をスピーディーに処理できる方を募集しています。
◆相手の気持ちに寄り添って、心配りができること
千差万別の生徒・保護者に対して「よいと思う支援」を押しつけるのではなく、一人ひとりの状況に想像力を持ち、論理的に支援方法を検討できる力が求められます。
(※支援業務ができるようになってからの求める人物像です。相手の気持ちに寄り添い、心配りができることをスタートに、経験と知識を徐々に積み重ねていっていただければ十分です。)
勤務地 ①首都圏(東京・神奈川)転居を伴わない範囲での異動有り
②名古屋校(新規開校予定) のいずれか
勤務時間 火~土曜日の9時30分~21時30分までの間で、週5日・1日8時間(1週40時間)の時間シフト制
日曜・月曜は定休
休日休暇 ①基本:完全週休2日制(祝日は勤務日となります)
②年間休日:111日
③年次有給休暇:あり(6か月継続勤務で17日付与、以後勤務継続1年毎に付与。日数は法定日数+7日で17日間。毎月5週目を有給取得奨励日としており、連休を取得する社員も多いです)
④その他の休暇:年末年始休暇(12月29日~1月3日)、忌引休暇
応募資格 基本的な事務スキル(電話対応、メール対応・PCの基礎スキル)
必要な資格や経験等はありません(ほとんどの社員は「教育業界」「支援業界」未経験で入社しています)
求める人材像 ・福祉教育にかかわる分野をビジネスで行いたいと考えている方
・弊社の理念と行動規範をご理解くださる方
採用予定数 4名
選考プロセス 1.書類選考(応募フォーム審査)
2.面接(3回を予定)
最終面接以外は、関東圏校舎またはオンラインで行います。
最終面接は、関東圏校舎で行います。
同日内で複数回の面接を実施することも可能です。
詳細は、書類審査通過後、個別に調整いたします。
3.内定
ご応募から内定までの期間は、1か月程度を想定しています。


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