ひみつ基地

2019年10月号 vol.80

中学生・高校生のためのボランティアの探し方・選び方-ボランティアでミスマッチしないためのポイント

2019年10月11日 11:42 by editorial_desk

「ボランティア」という言葉を聞いた時、どんなことを思い浮かべますか?地震や台風などの災害支援、環境美化のゴミ拾い、東京オリンピックなどのスポーツイベントの運営、聴覚障がいをもつ学生等が授業を受ける際にサポートするノートテイカーなど、多種多様なボランティアの機会があります。近年は、ボランティア情報をまとめているポータルサイトなどもあり、「やってみよう!」と思ったら、自分の興味のある情報を見つけてすぐに応募することもできるようになりました。

ボランティアは、これから中学生や高校生にとってもより身近なものとなっていきます。2020年度の大学入試改革では、「主体的に学ぶ態度」が重視されることから学校側の調査書(内申書)や生徒自身が電子データにまとめる「eポートフォリオ」などでも、ボランティア経験を記入する箇所があります。これまでもボランティアは、校外活動の一つの評価項目となっていましたが、より明確に示されるようになります。進学や就職などの進路を考えた際、ボランティアは「主体的に学ぶ態度」を示す一つの重要な材料となっていくと考えられます。

せっかくボランティアに参加した時、「こんなはずじゃなかった」ということは、高校や大学のミスマッチ、企業採用にミスマッチがあるように、ボランティアにもミスマッチがあります。今回の記事では、「ボランティアをやってみよう!」と思いついた時、どのように選べば良いかをご紹介します。

1.興味・関心のある「社会問題・課題」から活動分野・テーマを選ぶ

いきなり「ボランティアを選ぼう!」と思うと分かり難くなってしまうので、まず自分の興味や関心を持っている「社会問題・課題」は何かを考えてみましょう。興味関心のあるニュースや話題、学んでみたいこと、将来なりたい職業や仕事に関することなどから教育や福祉、環境、スポーツ、アートなど分野やテーマを絞っていきます。ボランティアで一番大切なのは、自分からやってみようという主体性です。自分が自発的に関わってみたいことに取り組むことがスタートしていく、続けていくためのモチベーションになります。

2.活動の頻度を考える

授業や部活・サークル、アルバイトなどの普段の生活と両立してボランティアに取り組むためには、どのくらいの頻度で活動に取り組むのが良いのか考えましょう。単発・1回だけのイベント的なボランティアから、週や月数回というような定期的なものもあります。

まずは、自分のイメージしているものと合致するか体験的に参加できるものからはじめるのが良いでしょう。オススメとしては、通年で定期的にボランティア活動できる団体に登録・参加することです。どんなボランティアでも1回きりの活動でできることは限られています。勉強やスポーツ、音楽などと同じで、初めのうちは不慣れで大変だったとしても、継続して参加していくことで、段々と知識や技術も身につき、できることの幅も広がります。また、続けていくことで、人間関係が広がり、仲間とのつながりも深まっていきます。普段は関わることの少ない異年齢・文化の人との関わりから視野を広げることもできます。

3.こんなボランティアには注意!

ボランティアの募集情報を見ていると、「これはボランティアなのか?」と疑問に感じるもあります。実際は通常のアルバイトであるにも関わらず、社会貢献性を謳った有償ボランティアとして募集をしているものや、株式会社・営利企業が明らかな収益性のある事業に対して、最低賃金を下回る低賃金・無償労働であるにも関わらず巧妙な募集をしているものも見られます。

「おかしいな?」と思ったら、親や先生、周囲のボランティア経験者などに相談し、応募する前に団体のホームページやソーシャルメディア(twitter、facebook、instagram)などもチェックし、実際の活動や運営の状況などもチェックするようにしましょう。ケガをしてしまった時やさせてしまった時のボランティア保険に加入しているか、ボランティア参加証明書の発行ができるかなども確認できると良いです。

4.自分と団体の方向性の合致(レジャー型・支援型)

自分が参加したいと考えているボランティア活動、参加しようとしている活動・団体は、「レジャー型」のボランティアか、「支援型」のボランティアか確認しましょう。

レジャー型のボランティアは、参加者の参加しやすさ(手軽さ・気軽さ)、楽しさなどを重視した活動です。例えば、短時間で自分のペースで参加できるボランティア「ちょいボラ」であったり、海外で現地の人とふれあい、観光では味わえない体験ができるボランティア・ツアーなどがあります。受け入れる団体側も参加者のために様々な工夫を凝らしています。

支援型のボランティアは、災害支援に代表されるように、サポートを必要としている側(被支援者・被災者など)のニーズを重視する支援している活動です。子どもに対する教育支援や、高齢者や障がい者などに対する福祉支援など、人を援助するボランティアも多くあてはまります。

支援型は、被支援者の状況をより良くしていくために、体力的・精神的にも負担のかかる作業を行ったり、一定の知識や技術を身につけていく努力が必要であったり、改善に取り組んでいく必要があります。被支援者の必要とするサポートも変わるため、ボランティアがやりたい活動ができるとも限りません。

受け入れる側から見た時、レジャー型の場合は、「参加者=お客さん」として考えられ、支援型の場合は「参加者=スタッフ」として考えられています。「主役が参加者」のボランティアがレジャー型、「被支援者が主役」のボランティアが支援型とも言えます。

「ボランティア」という言葉で一括にされていますが、大きく分けると2種類あり、同じ分野の活動であったとしてもレジャー型か支援型かで参加した際に求められることも変わりますので注意しましょう。

5.ボランティア探しに役立つサイト

インターネットでボランティアを探す際に役立つサイトを紹介します。学校内で地域のボランティア情報を掲示している場合もあるかと思いますので、そちらもチェックしてみてください。

中学生や高校生が参加できるボランティアは限られているため、興味や関心のある活動があったけれど、対象となっていない場合は、直接、実施団体に問い合わせて相談をしてみると良いでしょう。保護者の同意など条件付きで参加できる場合もあります。

◎Yahoo!ボランティア
Yahoo! JAPANが社会貢献事業の一環として提供するサービスです。

◎active
国内最大級のNPO・社会的企業のボランティア・職員/バイトの情報サイト

◎ボランティア・プラットフォーム
国内最大級のボランティア募集ポータルサイト

◎東京ボランティア・市民活動センター
様々なボランティア募集情報やイベント情報を得ることができるほか、ボランティアやNPOに関する基礎知識を学ぶこともできます。
※ボランティアセンター、市民活動センターは、各地にもあります。自分の住んでいる地域のセンターのホームページを見たり、実際に足を運んで相談することもできます。

ウェブマガジン「ひみつ基地」編集部


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