Eduwell Journal

2020年4月号 vol.86

新型コロナによる影響で存続の危機に直面する自然学校-被害総額は約18億円。6割超の団体が経営に影響。

2020年05月25日 17:18 by eduwell_journal

国内外で環境教育を推進する公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)は、4月23日に共同緊急調査「新型コロナウイルス感染拡大に関する自然学校等への影響調査レポート」の結果を公表しました。

本調査は、自然体験・環境教育・野外教育に関するネットワーク団体が協力し、4月14日(火)〜4月21日の期間にウェブアンケートで実施しました。日本全国の自然学校等を対象に行われ、236件の回答が寄せられました。調査を回答した団体の8割以上が年間の事業規模が5,000万円未満の団体となります。

調査結果によると、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、4月末までに自然学校等が中止・延期したプログラム・イベントの参加予定者数は、197,806人にのぼり、被害総額は約5億9,200万円となったことがわかりました。

また、5月以降も活動の自粛が続いた場合、プログラム・イベントの中止・延期によって、382,926人に影響が及び、被害総額は約12億1,800万円となるとしています。5月以降の野外での活動が増えるシーズンを迎え、長期化することで被害はさらに拡大することが予想されるとしています。

(「新型コロナウイルス感染拡大に関する自然学校等への影響調査レポート」の結果より)


(「新型コロナウイルス感染拡大に関する自然学校等への影響調査レポート」の結果より)


(「新型コロナウイルス感染拡大に関する自然学校等への影響調査レポート」の結果より)

調査に回答した約9割の団体で「活動内容に現在影響が出ている」と答え、6割以上の団体が持続化給付金や雇用調整助成金などを申請し、「法人経営に現在影響が出ている」としています。

活動自粛により、子どもたちが自然と触れ合う機会が減少し、子どもたちの生きる力が失われることが懸念されます。調査に回答した団体からは、「団体行動や密になる体験が多いため、自然体験やグループワークが実施できない」「感染症対策に必要な作業の煩雑化」「事業を行うことで、感染を拡大させる」「地域の関連事業者(宿泊や飲食、資料館、物販など)が自粛要請により、経済的な事情で倒産したり、活動ができなくなること」などへの懸念の声もあがっています。

資金面での支援を求めるとともに、新型コロナウイルスの収束後も、三密を避けた自然体験プログラムを実施することが当分の間必要であり、感染症対策を盛り込んだ安全管理マニュアルの策定が望まれるとしています。

※参照:新型コロナウイルス感染拡大に関する自然学校等への影響調査レポートの公表

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Author:Eduwell Journal 編集部
本記事の執筆は、岩切準が担当。Eduwell Journalでは、子どもや若者の支援に関する様々な情報を毎月ご紹介しています。子どもや若者の支援に関する教育や福祉などの各分野の実践家・専門家が記者となり、それぞれの現場から見えるリアルな状況や専門的な知見をお伝えしています。「Eduwell」は、本メディアがテーマとしてきたEducation(教育)、welfare(福祉)、well-being(ウェルビーイング)の3つの言葉をつなぎ合わせて作られた造語です。本メディアは、子どもや若者を対象とした社会教育事業に取り組んでいる認定NPO法人「夢職人」が発行しています。

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