Eduwell Journal

2020年9月号 vol.91

高校を辞めたい!「中退」と「転校・編入」のどっちが良いの?-何を求めているか考え、自分の意志で選択することが大切

2020年09月10日 12:45 by yamaguchi_masashi

「高校を辞めたい!」「こうじゃなかった!」と新しい生活をはじめようと思った時に、高校を中退した方が良いのか、転校・編入した方が良いのかという話は、多くの方が悩む点です。学校に相談するとかなりの確率で転校・編入を勧められると思います。

重要なのは、「何を求めるかで決めましょう!」ということです。せっかく今のところから新しいところを選べる状態にあるということなので、自分が何を求めるかで決めていきましょう。

学校生活の思い出や学歴を重視する方

例えば、学校生活の思い出。修学旅行で枕を投げ合いましたとか、みんなで体育祭を頑張ったよね、といったことを大人になってワイワイしゃべるみたいなことがあるかもしれません。高校生という学校生活や青春の思い出が欲しいという場合や、高卒の学歴が欲しいということであれば、確実に転校・編入して学校に移った方が良いです。

学校生活の思い出を作りたいというお話であれば、できるだけ学校の中のイベントとか、学校の生徒同士の結びつきとかが強い方が良いので、その一番に求めるということであれば、できるだけ全日制に近い形の学校を選ぶ必要があります。

高卒の学歴は、どこかの高校に在籍し、卒業しないともらえないので、その場合は転校・編入を選ぶしかありません。

高等教育卒の学歴、つまり、専門学校とか短大・大学の学歴が欲しいのであれば、高卒という学歴を一回経てから専門学校とか大学とかの学歴を取ることもできますが、高卒認定を取ってから高等教育に進むという形でもOKという話になります。

次に「学歴に基づく自尊心」です。「中退するのは、中途半端に終わってしまっているな」というところがあって、コンプレックスに感じてしまう人であれば、この自尊心を得るために学歴を得る必要があります。また、学歴が必要だと思っているのであれば、勉強して上の学校を目指した方が良いと思います。

他の生活に時間と労力を注ぎたい方

続いて「自分の好きなことを追求する時間とか能力が欲しい」「自分で生きていくための仕事が欲しい」「稼ぎや資格が欲しい」ということであれば、どちらかというと学校生活というよりは、その他の生活に時間と労力を注ぐという生き方になるので、わざわざ転校・編入という形を取らなくても良いと思います。

ただ中退を選んだから、転校・編入を選んだから○○しか得られないということではありません。例えば、通信制高校では、「年数日通えばOKですよ!」というところもあり、そういうところであれば、この高卒の学歴も取れるし、また、自分の好きなことをする時間とか、時間をかけて能力を磨くこともできます。

「どっちにかしか行けない」ということではないので、自分のどれがどれくらい欲しいのかというのを考え、それに合うような学校を選んだり、中退後の生活を過ごすし、自分の得たいものを実現していくのが良いかと思います。

社会性、友人や居場所はどちらでも得られる

もう一つは、「周りとうまくやる社会性が欲しい」「気の置けない友人が欲しい」「安心できる場所が欲しい」ということになると、これは学校でも社会の中でもどちらでも得ることはできます。

例えば、学校の中であれば、学校の中で上手くやっていく社会性があれば良いと思いますし、この中で友人ができるかもしれないし、その学校が居場所そのものになる可能性があるかもしれません。また、社会の中に入って、アルバイトするということであれば、その中で社会性を身についていくだろうし、気の置けない友人がすぐ見つかるかもしれません。

どっちを選ぶというかではなく、どのように生きていくかによって得られるものです。このあたりが欲しいということであれば、転校・編入や中退の選択肢に限らずもっと色々なやり方を考えることができます。

通信制高校への転校・編入は見極めが必要

もし、転校・編入を考えた時に、多くの場合は通信制高校の転校・編入になっていくと思います。

通信制高校にも色々な学校があります。週5日通う通信制高校もあれば、週数日行けばスクーリングが全部終わる通信制高校もあります。年数日しか行かないっていうのであれば、なかなかそこの場での気の置けない友人を見つけるのは難しいだろうし、学校生活の思いを作ることも難しいと思います。転校先の学校で自分が欲しいものが得られるかどうかを見極める必要があります。

転校先の高校を探す時に、色々なところへ話を聞きに行くと、良い話はたくさん聞けると思いますが、実際それが本当に得られるのか、ちょっと踏み込んでその学校の説明をしてくれる人に伺った方が良いです。できれば普段の学校の様子を見させてもらうことも大切です。

自分の意志で選ぶことが重要

中退であれ、転校・編入であれ、どちらであっても自分が得られるものがあれば良いと思いますが、選んだ先を失敗しないようにしたいです。大切なのは、自分の意志です。

例えば、学校の先生が高卒ぐらいは持っておかなきゃいけないからと、通信制高校に行きなさいという話に100%のってしまうのであれば、次をせっかく選べる状態になっていても、うまく選べていないという状況になってしまいます。

自分が何を求めているのか、転校先の高校で何を求めるのか、何が欲しいのか、中退するなら中退してどうしたいのか、どうやったら自分の人生を歩んでいけるのか、ということをしっかり考えて少なくとも「自分はこうだよ」という意志を持って動いてください。

もし、自分の意志で動いたうえで失敗したとしても、「この失敗はこういう考え方だったからだな」という振り返り方ができます。そうなった場合は、次の自分のステップに活かせるので無駄になりません。自分の意思をしっかり持つことは、選択するうえで重要なポイントになります。

「高校中退」に関する記事の一覧

Author:山口真史
1981年奈良県生まれ。一般社団法人new-look代表理事。関西学院大学大学院 文学研究科 総合心理科学専攻 学校教育学領域 修了。「型にはまらないで考えよう。常識を打ち破ろう(Think Outside theBox)」を掲げる、高校中退・不登校向けの個別学習サービス、TOB塾代表。 2歳で父を大韓航空機撃墜事件で亡くし、母子家庭で育つ。奈良工業高専の中退経験と、中学・高校の教員経験(担任・学年主任・人権教育主任など)のほか、大手人材紹介会社やNPO法人での勤務経験を持つ。さまざまな仕事や人との出会いの中で「覚悟を決めればどの道も正解」・「もっと自由に生きていい」ことを知り、高校中退からの生き方にスポットをあてるため、new-lookを設立した。

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