ひみつ基地

2013年12月号 vol.10

夜の街の子ども達に耳を傾けてわかったこと-小さな相談窓口ができることで広がる可能性

2017年02月08日 18:03 by yamaguchi_masashi


◆ 悪い印象はイメージ先行の産物


「数人でたむろし、髪は茶色や金色で、語感の荒い言葉をつかって大声で会話する。たばこを吸い、唾を吐き、ごみはポイ捨てしていく。」

みなさんは、夜のコンビニの前や駅前・公園などでよく見かける、このような人たちにどんなイメージを持っているでしょうか?

「こわい」「自分とは関係がない」「何も考えてなさそう」「ただ遊んでいるだけ」などなど。色んな声が聞こえてきそうですが、そのほとんどはポジティブなものではありません。たばこを吸ったり、唾を吐いたり、荒い言葉を使ったり。真面目さとか、やさしさとかをそういうところから感じることは確かに難しいです。このことは本人たちもよく理解しています。それは、「大人はたいてい見て見ぬフリして通り過ぎていくんやけど、俺らのこと恐ないん?」と聞いてくることからも分かります。そして、もう少し話をしていれば、この悪い印象がイメージ先行の産物で、すごく表面的なものであることもすぐに分かります。   


◆ 当事者の声を聴く「ナイトクルージング」

私は、こういった人たちに声をかけて、話を聞いて回る活動を半年ほど続けています。一般社団法人new-lookを立ち上げたのが今年の5月。ですから、設立してほどなく、この活動を始めました。「夜回り」というと夜回り先生の印象が強すぎますし、ましてやそこまでの強い動機があったわけでもないので、new-lookでは、この活動を「ナイトクルージング」と呼んでいます。夜回り先生の夜回りよりもずっとライトな感じの、このナイトクルージング。初めから事業の1つとしてやろうと決めていたわけではありません。その経緯を少しお話します。

法人を設立して1カ月。まず、new-lookのメイン事業である、高校中退などからのリスタートを応援する個別学習サービス:TOB塾(とぶじゅく)が今年の6月にオープンしました。通常の学習塾でさえ、名前が広まり、顧客が定着するまでに2年程度かかると言われています。そんな中、TOB塾に高校中退者や不登校の子が続々と集まってきて、初めから忙しい盛りになることは当然ありませんでした。その代わりに、事業のことをゆっくりと考える時間が与えられました。私自身も中退経験者ですが、地域も年代も違います。また、今年の3月まで中学・高校で教員をしていたといっても、いろんな状況・理由のある中退者に関わったわけでもありません。だから、純粋に知りたかったのです。当事者たちの声を聴きたかったのです。そして、私がアプローチできる当事者はどこにいるのか。その答えの1つが夜の街でした。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

現場の納得感が第一!学校教員・教師の働き方改革(前編)~横浜市のリアルなデータから読み解く現状とは?

2019年4月号 vol.74

課題先進地から教育先進地へ!全国から子どもや若者が集う離島とは?(前編) ~生徒の自己実現を地域総がかりで支援する公立塾

2019年3月号 vol.73

子どもの好奇心に寄り添う「プレーリーダー」という仕事(後編)~「子ども」と「やりたいこと」をつなげるハブになる

2019年2月号 vol.72

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2019年4月号 vol.74

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...

2019年3月号 vol.73

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...

2019年2月号 vol.72

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...