ひみつ基地

2014年1月号 vol.11

「グローバル人材」って一体何だろうか?②-グローバルだけなく、日本のローカルでも必要とされている!

2017年02月08日 18:00 by makoto_m


◆ 当事者になれない苦しさ

前回は、学生がより特別であろうとして海外にも経験の場を求めている可能性があるという話をしました。今回は、海外で活動をする中で何が得られるかという話をしていきます。

様々な賛否両論を巻き起こしているブログ記事として、

「ぼくのお父さんはボランティアに殺されました。」

という記事があります。

中身は読んでいただくと分かるのですが、良かれと思って行う、一方的な支援は結果として、その地域性を壊し、関係性を減少させていくということが記載してあります。

実際、私も昨年インドネシアに家を借りて1年間いろんな場所に飛行機で飛び各地の社会課題を調べ、ヒアリングを行っていました。そこで学んだことは、どれだけ現地の社会課題を聞いても、自分が当事者ではなく、第三者として関わるのであれば、第三者の地点からの情報や印象にしかなりえないということ。

とはいえ、インドネシア人ではなく、現地の民族の人ではない、私がどう関わり、何ができるのか、わからずずっと悩んでいました。

「困っている相手を何かしら支援しないといけない。」

「事業には何かしら社会性を持たないといけない。」

今、考えるとこれ自体が大きなバイアスですが、当時は、より困っていて、悩んでいる環境を探すべきだ、それが大きなソーシャルインパクトにつながるという前提でインドネシアでリサーチを続けていました。


◆ 自分の無力さに涙する瞬間と感謝する気持ちに涙する瞬間

その後、転機が訪れます。

日本の株式会社ドアーズという企業が、アジア各国のリアルな社会課題解決を行う事業をグローバルラーニングジャーニーというカタチで企画していると聞き、ぜひインドネシアで行ってほしいと相談したところインドネシア・ジャカルタ中心地での水問題・貧困問題に向き合うプロジェクトを行うことになりました。

フィールドは、ジャカルタ近郊のKapuk Muaraという地元の大学生やタクシーでさえ、行きたがらない場所です。海に近く、海抜が低いため、洪水などの影響を直接受ける地域。Kapukでは、貧困解決を目的に地域の資源に注目し、地盤沈下したエリアの池を活用して、なまず養殖を中心としたビジネスで地域開発を行うプロジェクトも進められています。

しかし、そこからわずか2kmほど行った場所には華僑や日系の企業が開発したショッピングマーケットなどが立ち並び、ゴルフ場や大統領の別荘などもあるリゾート施設があります。また、インドネシアの物価は私が行った2011年~2013年の2年間で約40%上がり、最低賃金はここ数年、毎年30%以上上がっています。

このプロジェクトにはU理論の訳者でもある、由佐美加子さんが参加され、現地のファシリテーターを務めていただきました。

結果としてはわずか1週間では、現地の社会課題はもちろん解決しませんでした。

プロジェクトの中では、社会課題の凄まじさ、そして、日本人という自分が相手に伝えてしまうバイアスを感じる中で、自分の無力さに涙する瞬間もありました。言葉もままならない中で、そもそも分かりあえないという気持ちが生まれ、しかし、それを乗り越えたいとする感覚を持ち、本音を伝えようとする。伝えるだけでは一方的だからこそ、それさえ手放し、相手の気持ちをすべて受け入れるという気持ちで関わる中で、得られた感覚。参加者と地域の人たちがサークルを組み、感謝を伝えあう中では、自然と感謝の気持ちが生まれ、涙が出てくる瞬間がありました。

そこに今後関わり、もっと一緒に取り組んでみたいという大学を卒業した後の若者が生まれました。また、私も自分が持つ日本のコンテンツをもとに、現地の子ども達が自由に職業選択をする機会がないという課題に貢献できるということが分かりました。

これは、2013年の夏にKapuk Kids Creative Cityという名前のまちづくりプロジェクトを行うことにつながります。
この続きは1ヶ月無料のお試し購読すると
読むことができます。

関連記事

一歩踏み込んだ次の「子どもの貧困対策」とは?-「対子どもだけ」から「対家庭」へ支援を広げて深める

2017年09月号 vol.55

事故でも病気でもない!若者の死因の第一位が「自殺」という国-子どもや若者を行き詰まらせないために必要なこと

2017年09月号 vol.55

広がらない学校教員の社会人採用・中途採用の現状-「学校」しか知らない先生ばかりで良いのか?

2017年08月号 vol.54

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2017年09月号 vol.55

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...

2017年08月号 vol.54

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...

2017年07月号 vol.53

今月も子どもや若者の支援に関する幅広い情報をご紹介します。各分野の実践家が...