Eduwell Journal

2014年4月号 vol.14

「大学が合わない!」と思ったアナタへ伝えたいこと-「こんなはずじゃなかった!」を挽回する方法

2020年05月23日 23:07 by shoko_hatano



大学中退者の半分は、大学1年生の前期につまずいている

新大学生の皆さん、入学おめでとうございます!第一志望に受かってとにかく楽しみな人もいれば、第二、第三志望になってちょっとネガティブな気持ちの人もいるかもしれません。実はこれから夏休みまでの数か月が、大学生活の全てを決めると言っても良いくらい、とても重要です。

NEWVERYが運営する日本中退予防研究所の調査では、中退者の50%が1年生の前期のうちに何らかのつまずきを起こしている、という結果が出ています。大学中退者は年間約6万人、10人に1人という計算ですので、決して他人事ではありません。

私自身は普段、このようなミスマッチや中退を防ぐために「高校生の大学選び」をサポートするプログラム『WEEKDAY CAMPUS VISIT』を運営しているのですが、今回は入学した後の皆さんに向けたお話をしたいと思います。



「こんなはずじゃなかった!」の傾向と対策


1.学べること(カリキュラム)が「こんなはずじゃなかった!」なら

大学の「学問」と高校までの「教科」は大きく異なります。こんなことを学ぶと思っていたのに、何か違った、ということがどうしても起こります。例えば経済学部なら、文系だし何となく高校の政治経済の暗記系のイメージでいたら、バリバリ数学を使う授業だった、という感じです。

もし「何か違うかも・・・」と思ったら、3,4年生の授業を覗きに行ってみましょう。1,2年生の基礎的な授業だから違和感があるのか、本当に学びたいことと違ったのか、判断する材料になります。また、教養科目は学部に限らず幅広いものが受けられますし、まだ履修登録前であれば他学部履修という手段もあります。同じ大学の他の学部の授業が受けられるというものです。

もちろん履修登録をせずに受けてもバレない大学もありますが、せっかく受講するなら単位がもらいたいですよね。転学部・転学科(学部や学科を変えること)ができる大学もありますので、そういった制度を調べて活用することも選択肢の一つです。ただし、大学の制度は複雑ですので、しっかり調べてから行動しましょう。

2.授業の進め方が「こんなはずじゃなかった!」なら

少し想像しにくいかもしれませんが、「授業のやり方が合わない」ということもあります。大学は高校に比べると、大学や学部、科目によって授業の進め方が様々です。数百人も入る教室で教授が講義をするような授業もあれば、少人数でディスカッションをするような授業もあります。学生自身にも、教科書を読みながらじっくり勉強をしたいとか、みんなと議論して考えを深めたいとか、研究室で実際に実験をしたいとか、それぞれに合った「学び方」があるので、それとミスマッチすることがあるのです。

授業の進め方の場合は、同じ大学・学部の同じ科目であっても先生によって違いがあるので、「授業の進め方」が自分に合うかどうか、で授業を選ぶことで解決できることもあります。気を付けたいのが「楽に単位を取れる授業」です。15コマ×90分という時間と授業料を考えたとき、大変でも身になる授業を選んだ方が時間と費用に見合った成果(学び)を得られるかもしれません。

3.授業の難易度が「こんなはずじゃなかった!」なら

最も大変なのが、授業の難しさについていけない、ということです。今は様々な入試形態があるので、入試のときに必要とされる学力よりも、授業で求められる学力の方が高い場合があります。私のいた経済学科では、Σ(シグマ)を使った計算がたくさん出て来るのですが、友人はこの記号の読み方すら知らず、初回の授業から苦戦していました。

この場合は、授業に追いつくために高校までの勉強を復習するしかありません。大学によっては、入学前に課題を出したり、講座を開いたりして、ついていけるように準備させてくれる大学もあります。授業が始まってからも、レポートの書き方講座や相談会を開くなど、サポート体制を整えている大学もありますので、相談しに行ってみるのも良いと思います。大学生活の先は長く、カリキュラムは積み上がっていくものなので、その単位だけどうにかすれば、などと思わないことです。



大学生活は自分の手でいくらでも変えられる

そもそも、大学生活が充実しないことを大学のせいにしていては、前に進めません。もちろん、ミスマッチの背景には、大学の情報提供の仕方やあり方、高校の進路指導や保護者の影響などがあったかもしれません。私もその問題を解決するために、日々活動しています。しかし、あくまで社会全体の話であって、あなた自身がそれを責め、立ち止まる理由にはならないのです。

大学というところは、人と全く関わらず、楽な授業を選んで単位だけを取って卒業する、ということができてしまいます。だからこそ、自分で大学生活の目的を明確に設定し、自分でコントロールしていく必要があります。

ここまで色々と書きましたが、私自身は上記3つの「こんなはずじゃなかった!」を1年生の前期に全て経験しました。しかし、起きたことは仕方がないので、開発経済学を学んで国際公務員になる予定を変更し、英語だけは大学で身に着けること、学生団体の活動を本気でやること、関心のあった教育について色々やってみることにしました。それが今につながっているので、反省も後悔もしていません。

大学生は本当に自由です。大学生活のスタートを切ったばかりの皆さんにも、自分の目的に沿って、自分の手で大学生活を作り上げてもらいたいと思います。

Author:羽多野祥子
教育・研修プランナー。1987年、熊本県八代市に生まれる。東京の大学に進学し、卒業後は企業の新卒採用を支援する会社で営業職に就く。その後、研修企画会社を経て教育関係のNPO法人で新規事業の立ち上げやマネジメントを経験し、2018年10月に宮崎県日南市へ移住。現在は「地方と都市部の教育格差を解消する」をミッションに掲げ、フリーランスとして中高生のキャリア教育や企業の社員研修などに取り組む。

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