ひみつ基地

2014年5月号 vol.15

もし、自分や子ども・若者が「五月病」になってしまったら -「五月病」の原因・症状と治し方・対策とは?

2019年09月13日 17:20 by sari_yamamura

新年度になる4月が過ぎましたが、進学・新社会人・異動など、新しい環境で頑張っている方も多いのではないでしょうか?この時期、真面目に頑張っている人がかかりやすいのが、いわゆる「五月病」です。やる気が起きない、体がだるいなどの症状が現れます。「五月病」は正式な病名ではなく、病院に行くと「適応障害」「軽度のうつ」といった診断をされることもある病気です。

ちなみに「五月病」というのは、調べた限り日本にしかないもののようです。諸説ありそうですが、1つには日本は環境の変化が4月に集中しており、症状が5月に一斉に出るからというのがあるようです。また、研修後5月から配属先に行く新社会人は、6月に症状が出ることから「六月病」とも呼ばれています。そう考えると、新しい環境に身を置く、新しい取り組みをするという時には、5月に限らず「五月病」の危険性がありそうです。今回は、5月に限らずこの「五月病」の症状が出た時に、自分や周りの人がどのように対応したらよいかをご紹介していきます。

「五月病」とは、何か?

まずは「五月病」とは何かをみてみましょう。全国健康保険協会のホームページによると、五月病はやる気が起きない、ネガティブ思考になる、思考力・集中力の低下、体がだるい、食欲低下、頭痛・腹痛といった症状がみられます。メンタルだけではなく、体にまで症状が出てきます。では、その原因は何があるのでしょうか?上記のホームページを参照すると、4つの原因が考えられるとのことです。


①新しい環境についていけない
新しい仕事が合わない、引っ越しによる生活環境の変化など。

②新しい人間関係をうまく築けない
新しい上司や同僚に質問や相談がしづらいなど、人間関係の構築。

③思い描いていた理想と現実のギャップが埋められない
新しい環境で自分のキャリアが生かせない、スキル不足の痛感。

④入社がひとつのゴールとなってしまい、次の目標を見失う
いわゆる燃え尽き症候群。


様々な原因がありますが、どう対処したらいいのでしょうか?

自分を大切にする

少し話は変わりますが、最近私が読んだ本『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』(著:アダム グラント、翻訳:楠木 建)に興味深いことが書かれています。成功するための「あり方」を行動科学の理論と実証研究から論じている本ですが、そこに「五月病」への対応の参考になることが書かれていますので、ご紹介いたします。

「与えることに時間とエネルギーを注ぎ込み過ぎるせいで燃え尽きるのではない。困っている人をうまく助けてやれない(と感じた)ときに燃え尽きるのである。」

自分の仕事、取り組みがどんな風に人の役に立っているのかを知ることの大切さが書かれています。また、

「助けを受けることがはるかに少ないのを発見しており、そしてそれは、精神的にも肉体的にもダメージをおよぼす(中略)周囲からサポートを受けることこそ、燃え尽き防止の強力な特効薬」

助けを受けることの大切さが書かれています。これを踏まえ、自分自身が「五月病」になってしまった場合、サポートしている子どもや若者が「五月病」になってしまった場合の対応をご紹介します。


自分自身が「五月病」かも?と感じた場合の3つのポイント
・自分の心と体の声に耳を傾ける
・自分の頑張りを労う
・周りに助けを求める


真面目に頑張る皆様の中には、多少「やる気が起きない」「体がだるい」などの症状が出ても、気づかないふりをしている方もいるかもしれません。そういう方は、まずは、自分の心や体の声にしっかり耳を傾けてあげて下さい。自分の心や体の声を無視して行動しても何もいいことはありません。自分に嘘をついている状態ですので、自分に対しても、サポートしている子どもや若者に対しても不誠実になってしまいます。いつもと違う自分を感じたら、「何にストレスを感じているのか?」「何を無理しているのか?」を自分に問いかけ、自分の中で会話したり、紙に書きだしたりしてみて、自分がどれだけ頑張ったか実感し、労ってあげることが大切です。

また、信頼できる人に今感じていることを全て聞いてもらうこともオススメです。みなさんの周りには、みなさんを助けたいと思っている人はたくさんいます。「助けを借りるなんて、迷惑かけることは出来ない!」と思ってしまう方もいるかもしれません。恥ずかしながら私もそう考える性格だったのですが、ある方から、「自分が人を助けられたら嬉しいのなら、きっと周りの人もあなたを助けられたら嬉しいんじゃないの?」と言われて、人に頼るのが苦痛ではなくなってきました。今では、全部自分でやろうとしてた(自分だけで出来ると思っていた)なんて、ある意味傲慢だったなと反省しています。


サポートしている子どもや若者が「五月病」になってしまった場合の3つのポイント
・彼らの「語り」を聴く
・彼らを支配している思い込み・信念を言語化し認識させる
・役立っていることをIメッセージで伝える(承認)


まずは、彼らの話していることに耳を傾けて下さい。アドバイスや励ましなど一切せず、ただ、「起きている事実」(5W+1H)と「何を感じているか」(感情)に焦点をあて、彼らが語ることを聴いてあげて下さい。それだけで、すっきりすることもあります。

もしかしたら語りの中で、「ミスなく行動すべき」など、「~ねばならない」や「~すべき」という思い込み・信念が、彼らを支配しているように感じることがあるかもしれません。持っているとプラスに働く信念も、時に自分を縛るものになってしまうので要注意です。その時は、「ミスなく行動すべきと思っているんだね?」と彼らの思い込み・信念を言語化してあげて下さい。自分という人間の特性を自覚することで少し楽になりはずです。また、彼らが役に立っていると感じていることは、Iメッセージ(私は○○と感じた)で伝えてあげて下さい。

普段の様子がわからない場合は、話を聞く中で、「私だったら○○してくれていたことが嬉しいと感じると思うよ。」と皆様の過去の経験を踏まえて伝えてあげてもいいかと思います。必ず誰でも役に立っているところはあるはずです。(例.出来ないながらも一生懸命頑張っていることが、先輩や仲間の刺激になっている、その場を元気にしている。)長くなりましたが、みなさんが自分らしく子どもや若者を支援する取り組みが出来ることを願っています。

コーチングオフィス「みらいと」代表 山村沙莉

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