ひみつ基地

2014年10月号 vol.20

「子どもの貧困対策に関する大綱」を読み解き社会に活かす方法①-美しい建前にしないために今するべきこと

2017年02月08日 16:26 by takuya-murai


(こどもの貧困対策事業に関わる学生サポーターの会議)

2013年に成立した「子どもの貧困対策推進に関する法律」から1年と2ヶ月。

法律に基づき、今後政府として解決に取り組んでいくための基本方針や柱となる施策を示すものとして「子どもの貧困対策に関する大綱」(以下、大綱)を策定し、8月29日に閣議決定されました。子どもの貧困の問題については、多くの方が語られるようになり、徐々にではありますが、社会の認知も高まってきています。

しかし、様々な場所で子どもの貧困についてお話する中で、その認知の不十分さも実感しています。また多くの実践家、専門家の方々の間でも、子どもの貧困問題解決の切り口が多様であることや、立場が違うことにより、この大綱への評価も様々出てきております。そこで今回の大綱の内容や、またここから具体的にどのような流れで具体的な支援が進んでいくのか、そして現状の課題などについて書きたいと思います。


内閣府ホームページより2014年10月1日現在)

子どもの貧困を解決するために政府が取りまとめた「大綱」って何?


理念としては明文化され、方針も指し示されました。しかし、具体的な方策や国としての姿勢としての予算については、明示されているものの偏りがあるということがポイントです。

もう少し言えば、教育支援の予算はある程度つきましたが、直接的に生活を支える制度やサービスについては新たについていません。むしろ「貧困」に対する施策という点では、生活保護の受給基準を変えたことにより、準要保護世帯が受給できる就学援助の対象から外れた世帯が増え、厳しくなっているのではないかと思われます。

また、現在全国で実施されている無料の生活保護世帯の子ども向け学習支援も国からの予算が大きかったが、それも次年度以降なくなるため、この点でも現在取り組まれている支援事業の継続が危ぶまれるという状況もあります。

多くの方が述べているように、厚生労働省に関する予算はついていないが、文部科学省に関する予算はついたというところでしょう。実際、国費としては同じですから、子どもの貧困にかける予算の総量が増えたが、どの立場で見るかによって、前進、後退、よくわからないという評価になっていると思います。

福祉の制度にはよく総論賛成、各論反対ということが起きます。今回も同様であり、それは支援に取り組んでいる個人、団体がなかなか一枚岩になれず解決へ足枷にもなっているように見えます。
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