ひみつ基地

2015年6月号 vol.28

命の大切を「知る」よりも本物の体験から「実感する」-子どもが生き物の屠殺や解体に立ち会うということ

2016年06月11日 00:39 by uedanna

今春に小中学生と対象とした「牧場暮らしキャンプ」を北海道で実施しました。馬と共に暮らす、牧場暮らし・牧場づくり体験に特化した一風変わったキャンプです。8日間かけて、馬をはじめとする様々な生き物にひたすら寄り添うというシンプルかつコアなキャンプです。このキャンプは、牧場のスタッフのある指令からスタートします。

牧場スタッフ「じゃあ、あそこにいる馬が、君がお世話をする馬です。これ(引き手・紐)を使って、捕まえて連れて来てください」

子ども「放牧地の遥か彼方で草を食べてる、あの馬ですか!?」

子ども達は、とにかく馬に近づきます。が、あるところまでいくと、馬はするすると逃げてしまいます。ましてや、走って追いつこうだなんてムリムリ。馬の足の方が速いに決まってる。そして何より、子ども達なんかよりもずっと大きいんです。「困ったなあ」「できないなあ」「怖いなあ」と。



スタッフの人はニコニコして見てるだけ、何も教えてくれないし。でも、捕まえないとこの先馬に乗って旅に出れないんだよな。さてどうしようか。結局、その日じゅうに捕まえられず、タイムアップ。

次の日もトライするのですが、相変わず近づいて来てくれないのです。どうも、馬はボクたちの「オーラ」を見ているらしい・・・。実はそこに、今私たちに採って最も必要な「超ノンバーバルコミュニケーション」(非言語コミュニケーション)の神髄が隠れているのです。空気を読む。気配で話をする。そこに気がついたら、馬はすんなりと引き手を受け入れてくれました。感動です。馬が捕まったということよりも、馬と心が通じ合った事が、嬉しくてたまりません。そんな風に、北海道での「牧場ぐらしキャンプ」は始まります。

命を頂く事ってどういうことか?

このキャンプでは、冬に行うニワトリの屠殺(とさつ)、あるいは撃ち取られたばかりのエゾシカの解体に立ち会います。スタッフの皆さんが、それはそれは鮮やかな手さばきで切り開いていく様子を見学します。子ども達は、このキャンプに参加する前に、お家の人とも話し合いました。そして、始める前に、大人も子どもも一緒になって十分に話し合いました。そう、「命を頂く事ってどういうことか」ってことを。
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