ひみつ基地

2015年09月号 vol.31

子どもの仲間同士や親子の対立をちからに変える-お互いの考えを尊重し、意見が違うことを楽しむために

2016年04月11日 17:14 by Ryoji_Fujikashi

8月下旬、出張帰りの飛行機の中でこの記事を書いています。今回の滞在中、カリフォルニアの広い青空の下、樹齢100年のピーカンの木が風に揺られる音を聞きながら、そこで40年以上暮らしている日本人女性の方と対話をする機会がありました。「アメリカ人はSelf−importantで、それが和を尊ぶ日本人との一番の違いだと思います」とのこと。自己中心的な意識が強いということは(自分のことを大切にしているという捉え方もできるが・・・)、他者との意見の違いに対して自己主張できる強さなのかもしれません。日本の農耕民族の歴史・文化では、相手の気持ちを察して、その上で自分の気持ちを表現することが大切だったようです。作り笑顔で相手に合わせることもコミュニティーの中で生きていくためには必要な能力だったのではないでしょうか。

筆者は、幼児教育に関わりながら、小中学生、高校生、大学生とアドベンチャー教育プログラムを通して、人間関係や自己の内面について学ぶ活動をしています。そんな日々の中で、人と対立をすることに苦手意識を持っている子どもが多いように感じていますが、みなさんの周りはいかがですか?だれかが言ったアイディアに、すぐに「いいね!」とだれの反対意見も出ないままに進むグループワーク。きっと他に意見があるはずなのに、一人一人が自分の意見を大切にできていないと感じることがあります。対立を恐れず、否定的ではなく前向きに捉えるためには何が必要なのか、改めて考えてみたいと思います。

対立を恐れる子どもたち

私自身子どものころは「八方美人」で、嫌なことがあっても笑って誤魔化すタイプの子どもだった記憶があります。対立を恐れている子どもはどんな心理状態なのでしょうか。


・自分の意見に自信がない
・集団の中で目立ちたくない
・他者の評価が気になる
・嫌われたくない


など、色々な理由がありそうです。『友だち幻想―人と人の"つながり”を考える (ちくまプリマー新書)』では、「同調圧力」という言葉で説明されていましたが、子どもたちの中に「みんな同じ」でいなければいけないという暗黙の規範が存在することがあります。いつも友だちと一緒に行動しなければいけない雰囲気があり、だれかと違う行動をとると「いつもと違う」と非難されたり、一人正当な言動を取ると「かっこつけやがって!」と後ろ指を指されたり。そのような関係性があると、自立した行動が取りづらくなります。行動を決めるのが他者との関係性であり、「自ら動く」のではなく「流される」場合、そこに責任感は生まれず、考え判断する力は育ちません。
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